台  湾  通  信

Part 13

11月16日(土)

羽田から台湾のフライトで、11年目にして初めて窓側の席に座りました。ぼんやり外を見ていると「富士山」を拝むことが出来てパワーを感じました。近いと思っていた台湾が遠く感じたのも今回が初めてのことで、11年目の緊張感なのかも知れません。
台北松山空港には、美紀子さんが笑顔で迎えてくださいました。美紀子さんは私が台湾で初めて会った日本人です。荷物を預けて台湾のお茶屋さん「新純香」に行き台湾茶を味わいました。その後は美紀子さんと2人でマッサージ!ガチガチに凝っている私の身体はみるみるうちにポカポカ温かく軽くなりました。
夜は、TIPLOの林所長ご夫妻(美紀子さん)にお夕食をご馳走して頂きました。10周年に林所長には盛大なお祝いをして頂き、11年目の再スタートにも励まして頂き嬉しいです。頑張りたいパワーが溢れてきました。

   

11月17日(日)

新幹線で台中に向かい「居留問題を考える会(代表 大成権 真弓さん)」の座談会に参加しました。日本人と外国人との婚姻をされた時に様々な問題を、日本人の広くしっかりしたネットワークが支えてくれています。私は国際結婚していませんが、この会を応援したくて会員にして頂きました。ボランティア活動の域を超える素晴らしい活動だと思うからです。
相続、居留に関する各種問題を、若手の弁護士さん出席の中で座談会は進められていきました。夕方から、ピアニストの陳暁綺さんと台北のコンサートの伴奏合わせをしました。暁綺(シャオチー)さんはウィーンで10年研鑽を重ねて、現在は台湾で活動されています。音楽のフィーリングもお互いに直ぐに理解出来て気持ち良く歌えました。


11月18日(月)
小雨が気になる中「玉蘭荘」でのコンサートでした。日本語世代の方々を中心に日本語で活動されています。いつも温かく迎えてくださって、私は台湾の家に帰って来た気持ちになりました。たくさんの日本の歌を歌い、日本から持参した「ほうじ茶」でおやつタイム、その後は坊主めくりで盛り上がって…和やかな時間はあっという間でした。
夜は、国家音楽ホールに足立育子さんの歌のコンサートに行きました。足立さんとは日本でのドイツ歌曲の先生が同じでした。美しい声が響いていました。
 

11月19日()

優格(ヨーク)幼稚園のコンサートでした。元気に楽しいコンサートの中盤
♪おじちゃんになっても、おばあちゃんになっても、ずっと一緒に温かく付き合ってたいね、ね!~ とお話しして歌い出すと、年長さんの男の子が泣きだしてしまいました。後から聞くと、ちょっとワンパクなので涙を流すことを先生方は驚いたそうです。
午後は、国立台湾大学の日本語学科2年生のクラスで音楽会と茶香服(お茶の銘柄を当てる)そして、坊主めくりで盛り上がった音楽授業をしました。

 

11月20日(水)

晴れのお天気に恵まれないのですが、着物の私にとっては好都合です。
午前は、公立台北市榮民總医院内の榮光幼稚園です。毎回ご父兄も参加してくださって(もちろん病院関係の方々です)、優しい園長先生、いつも笑顔の先生方に見守られている子どもたちは素直で穏やかです。
午後は、台北市文社区大学の日本語学科(砂川先生クラス)に行きました。社区大学とは成人大学のことで台湾では盛んです。夜間の公立小学校で夜9時半頃まで様々な授業が行われています。日本語を学ばれ始めたばかりと言うことで、砂川先生とご相談して子ども用のコンサートで歌った曲とペープサートで授業しました。皆さん、とても熱心に私の授業を受けてくださいました。

 

11月21日(木)

午前の榮星幼稚園は、11年間訪園していますが再来年は閉園となるそうです。
建物は文化財になるなっている重厚感を持つ空間が有り、日本時代の曽先生の教育方針は今に受け継がれていました。曽先生のおかげんがあまり良く無く…
午後の台北中正老人中心日本語クラス(大下先生クラス)では、未だ日本語世代の方々がお元気に活躍されていました。「いつも、この歌集を持っていて歌っています」と使い込んだ歌集を見せてくださいました。
夜の台北市信義社区大学日本語学科(砂川先生クラス)の皆さまは、私を台湾のお茶でおもてなしをしてくださいました。私も京都綾部 横田商店のお茶で交流会になりました。授業は数詞の単元だとお伺いして、子どもたちのコンサートで歌った「とんでいったバナナ」(バナナ1本、小鳥一羽、子ども2人、ワニが1匹など)を見て頂きました。何と!他の授業を受けていられる方々も、笑顔で廊下から観てくださっていました。

 

11月22日(金)
朝から日本人会で三歳以下の親子コンサートを2回しました。元気に可愛くワイワイと賑やかですが、私が歌うとちゃんと!聴いてくれます。(お婆ちゃんの歌は珍しいかな?)大急ぎで着物に着替えて台北市文山老人中心(大下先生クラス)に伺いました。私のピアノで歌い、お茶の説明と坊主めくりをして和やかな時間を過ごしました。
そして夜はバッハ霊感音楽学習中心(音楽教室)で親子コンサートが7時30分から?「子ども向けにしては夜遅くないのですか?家の息子が幼い時は就寝準備時間でした」と私「台湾は大丈夫!そして今日は金曜日だから…」との説明でした。確かに!もう一回コンサートしてもノリノリでいけちゃうくらい元気な親子が集まり盛り上げてくれました。
 

11月23日(土)

台北から新幹線で30分程ビーフンが有名な「新竹(しんちく)」新竹日本語補修授業校へ行きました。再来週の発表会とのことで歌の指導をお引き受けしたけれど成果が出なかったら…少々不安だったのですが、歌心の有る子どもたちは期待以上の曲に仕上げてくれました。素晴らしかったです!
お昼はビーフン?ではなく、イタリアンで済ませました(苦笑い)午後はバッハ霊感新竹音楽中心で親子コンサートでした。昨夜と同じように皆さんに楽しんで頂けました。台北から薪傳管楽団と代表の夏さんが立派なお花を持って来てくださって…私は少し恥ずかしかったのですが誉めてくださって「こういうコンサートの方が楽しくていいわね!」と言われてしまいました。ちょっと複雑な心境でしたが、私の違うキャラも見て頂いて良かったかも知れません。


11月24日(日)

台湾での活動は11年目、今年から「~音楽と笑顔の広場~」とサブタイトルを添えて再スタートすることにしました。
台湾で初めて私のソロコンサートになります。厚かましくもチャレンジするには覚悟と勇気が必要でした。戸惑い躊躇しながらも迷いは無かったです。伴奏者は台中出身で、ウィーンがご縁で音楽を通して知り合った陳曉綺さんです。何でも歌えば良い訳では無いですが、日本、台湾、ドイツ、ウィーン歌曲にオペラアリアを加えた盛りだくさんの選曲には私の思いが詰まっていました。
たくさんのお客さま、そして温かいお気持ちを感じながら気持ちよく歌いました。私にとって思い出に残る良いコンサートになりました。今日の着物は私のピアノの生徒さんで91歳になる方が心を込めて縫ってくださったものです。


11月25日(月)

帰国日を迎えました…最終日、ホテルでゆっくり朝食を頂こうと楽しみにしていたのですが、込み合ってしまい私のイメージと違ってしまいました。
台湾滞在のホテル滞在は、台北謙喜慈善福利協会から提供して頂いています。場所も便利で清潔、スタッフさんは日本語も出来て皆さん親切です。お見送りに、美紀子さんといづみ先生が来てくださいました。お名残り惜しかったのですが来年を誓って笑顔でゲートに入りました。
帰国も窓側の席、遠く離れる台北の街を見ながら、そして雲の上の夕日を眺めながら、無事に終えられた感謝と「来年は、もっと頑張りたい!」と思いました。

 





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Akiyo


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